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無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番より「アダージョ」(feat.宵待ちカルテット)

バッハの傑作を室内楽として再定義

· Creative Notes

皆様こんにちは^^mivjmです。2020年06月25日に再販(2018年11月25日に「SEVEN」track5として初販)した本作は、その副題通りを軸に「聴こえない音楽を表出させる」事を作品化したものです。それでは、この過程について順に見ていきましょう。

1. 想像力

この曲は、300年前にバッハが題名通り"無伴奏"かつバイオリン独奏の為に作りました。また、ほぼ全編が単旋律(所々に重奏およびアルペジオあり)で構成されています。ですから、一般的にはアカペラの様に捉えられがちですが、あくまでも和声的に創造した音楽を"ソロ・バイオリン用"として記譜した、というのが私の見解です。この仮説は、特段稀有ではなく、作曲を少し嗜んでいれば、原曲から"聞こえない音楽が聞こえる"、という類のものです。その響きを、頭の中で"弦楽カルテット"に演奏してもらう。イマジネーションを繰り返しディティールが精細に整ったら、次の段階へ進みましょう。想像力に欠かせないのはただ一つ、"日頃から全方位に意識を巡らせて生活をする"事です。

2. 観察力

例えば、近所の公園に"散歩"に出かけた時、あなたは何を見つけますか?砂遊びする子供、風に揺らぐ草の音、談笑する母親、夕陽に煌めく湖面、ベンチで語らうカップル、家路につく鳥の軌跡、体操するご年配、田んぼ一面に育つ稲穂。その様子を具に見つめ、動作のピボットや心情のアニメーションを頭に"メモ"してください。慣れてきたら、目を閉じて発する音で"認知"したり、耳を塞いでその存在を"感知"してください。きっと、有り余る程に多彩で普遍的なモティーフが、生々しく手に入るでしょう。そして、音楽をはじめ多様な表現を産み出す"源流"となるでしょう。こうして掴んだ観察眼を存分に発揮し、"心に浮かぶ音楽"を楽譜に記すのです。全てが揃ったら、音楽家へ演奏を依頼しましょう。

3. 表現力

創作とは、0から1を産み出す"魔法"の様に捉えられがちですが、大抵の場合それは誤りです。実際には、四六時中思いを巡らせ、寝食を忘れて作業に没頭し、破り捨ては振り出しに戻り、散らばった残骸を丹念に集め、危ういバランスで絶妙に合わせ、心を宿らせ鼓動を覚まし、歩き出した後ろ姿を見護り、手を振って送り出すのです。"楽譜"は、こうして作られます。そして、その存在を現実世界に産み出すいわば母親が"音楽家"です。彼女達がいなければ、音楽が皆様の手に届けられる事はないのです。彼女達がいなければ、音楽が皆様の胸を揺さぶる事はないのです。最後に、比類なき芸術力に恵まれた"宵待ちカルテット"諸氏へ、最大級の感謝と敬意を贈ります。

お楽しみ頂けましたでしょうか?アルバム「SEVEN」での編曲解説から視点を少し変えて著しました。改めて、本作の魅力を皆様の心へきちんとお届けできていたらいいな、と思っています。最後まで読んでくださり有難うございます!それではまたお会いしましょう!

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